代表理事の挨拶
セルフエナジーハウス研究会は「エネルギーを自給自足して快適で健康に暮らす家」をコンセプトとした住宅を世の中に普及させたいとの思いで2011年7月に設立されました。
私自身は5~6年ほど前から「自然エネルギーを利用した創エネができて、世界基準にも遜色のない省エネルギー性能を持ち、プラスエネルギーになる住宅・世界に通用する住宅」を理念に掲げた家づくりをしてきました。
その理念と、蒸暑地域での自立循環型省エネルギー住宅の普及推進という国の施策にもあわせて、エネルギー自立型住宅の開発と普及を目指し、鹿児島を活動拠点として全国の仲間に声をかけて研究会を設立しました。
国の定めた省エネ基準で言うⅤ地域だけでは無く、多くの人達が住むⅣ地区の気候にも合わせた性能の住宅も考えています。
早くから技術開発が進められてきた北方型省エネルギー住宅に劣らず、日本の気候の大部分である蒸暑地域に建てる、南方型省エネルギー住宅の確立を目指して参ります。
私達が考える住宅には、化石燃料や原子力などの枯渇エネルギーに依存せず、太陽の光や熱、風力、水力、バイオマス、地中熱などの再生可能エネルギー利用を積極的に行い、創ったエネルギーを効率よく利用する為に、住宅躯体(外皮)の高断熱化(熱の遮断)を実現させる断熱材やサッシを厳選し、室内環境の維持と熱の流出入を考えた計画換気の導入が不可欠だと考えています。
断熱材は、環境や人に優しい、総合性能の高いものを選ぶべきでしょうし、蒸暑地域では特に湿度のことを考える事も重要です。
サッシも熱の損失や環境への負荷を考え、枠材もガラスも熱の伝わり方の少ないものを選ぶことが重要です。
さらに、室内環境維持とエネルギーロスを考えれば熱交換型の計画換気は不可欠で、当然、熱の交換率が高いものが要求されます。
また、蒸暑地域では、湿度の交換も重要になるでしょう。
VOC等の化学物質や花粉、ほこりのカットも完璧にやりたいところです。
これからの家づくりには、エネルギー利用方法や建物のエネルギーロスを無くす方法などを、施主も施工者もしっかりと勉強していくことが必要です。
セルフエナジーハウス研究会では、家作りに直接係わる施工者の皆さんと一緒に研究や開発を行い、オーナーとなる方々には、誤った知識で家づくりを失敗しないように各地でセミナーや勉強会などを行って参ります。
本誌(SEH)では、このような情報を解りやすく取り上げて、住宅建築に携わる皆さんにも、良い家を求める消費者の方々にも、お役に立つような誌面作りを行っていきます。
読者の皆様にも情報や記事の投稿など、ご協力をお願いいたします。
セルフエナジーハウス研究会
代表 上野 勝
2012年04月15日【2】