HOME > ニュース

セルフエナジーハウス研究会ニュース

最近の記事

固定買取制度が混迷している。今こそ、私達が提唱しつづけている自給自足型住宅を見直していただきたい。

固定買取制度が混迷している。今こそ、私達が提唱しつづけている自給自足型住宅を見直していただきたい。

再生可能エネルギーの固定買取制度をめぐる動きが混迷を極めています。九州電力は、再生可能エネルギーを既存の電力系統に接続することを一旦停止、その後、接続回答を保留する電力会社の対応を整理することに。

全ての再生可能エネルギーの接続を停止(個別協議)
   →沖縄電力
10kW未満の太陽光発電を除く全ての接続回答を保留
   →北海道電力、東北、四国、九州
一部エリアで10kW以上のものに限り接続回答を保留
   →関西電力
一部エリアで5kW以上のものに限り接続回答を保留
   →東京電力

以上のように多くの電力会社では10kW未満太陽光発電の接続は継続して認めているため、一般的な戸建住宅などへの影響は少ない。しかし、戸建住宅でも20年・全量買取の対象となる10kW以上以の太陽光発電を搭載できる住宅の提案が活発化しており、この場合、回答保留の対象になります。

より深刻な問題を抱えてるのが賃貸住宅。賃貸住宅に10kW以上の太陽光発電を搭載する事例が増えており、売電益もみこした業計画を立てている。万が一、売電益が当初の計画通りに得られないとなると、その後の経営計画に大きな影響を及ぼしてしまう事になるのです。事態が混迷するなか、九州電力では方針を一部変更し、今年9月24日までに接続申し込みがあったものについては、回答を再開することを発表しました。

また、経済産業省では、年内にそれぞれの電力会社の受入許容量などを精査し、事態の収拾に向けた対策を講じていく方針を明らかにし、事態の収拾に向けた対策を講じていく方針を明らかにしている。また、11月5日に開催された総合資源エネルギー調査会の新エネルギー小委員会では、固定買取制度の見直し案などが論議され、太陽光発電の買取価格の大幅な低減なども議題に上がった。

(一社)住宅生産団体連合会では、九州電力が回答保留を発表して以降、電力会社との折衝を重ねてきたが、九州電力管内だけでも約1200件の住宅(賃貸住宅を含む)に影響が出てきているという。なかには接続回答が保留になっているため、引渡しができないケースもあるようだ。

混迷する固定買取制度。今後の動向次第では太陽光発電の買取価格が大幅に変更になる可能性もあります。国の太陽光発電に対する補助制度も既に終了しているだけに、今後の動向次第では住宅用太陽光発電をめぐる状況は新たな局面を迎えることになりそうだ。

また、電力の完全自由化まで視野に入れると、売電ではなく自家消費を中心としてエネルギー自給自足型住宅の実現へ向けた動きが加速するかもしれない状況が出てきました。


今こそ、エネルギー自立型住宅の開発と普及を目指して活動してきた(社)セルフエナジーハウス研究会の推奨する「ハイブリッドeハウス」がみなおされる時だと思います。

(社)セルフナジーハウス研究会  代表理事 上野勝

固定買取制度が混迷している。今こそ、私達が提唱しつづけている自給自足型住宅を見直していただきたい。2014年11月18日【26】

来年度から認定低炭素住宅について補助制度の導入を目指す

出典:ハウジング・トリビューン

国土交通省は来年度から認定低炭素住宅について補助制度の導入を目指している。

認定低炭素住宅は、2012年12月の「都市の低炭素化の促進に関する法律」に伴い創設された認定制度で、市街化区域などにおいて、低炭素化のための措置を講じた建築物を新築、増築、改築する場合、低炭素建築物新築等計画を所管行政庁などが認定する。

建築主が計画を作成し、国が認めた認定基準のもとに所管行政庁が認定の是非を判断する。住宅も認定の対象となっている。認定を取得するためには、一次エネルギー消費量を省エネ基準よりも10%削減しなくてはいけない。そのうえで、「節水対策」「ヒートアイランド対策」「エネルギーマネジメント対策」「建築物(躯体)の低炭素か」といった対策を講じる必要がある。

4分野合計で8項目の対策が設定されており、このうち2つ以上の項目に該当する必要がある。長期優良住宅の低炭素版と言えるものだ。

認定を取得すると長期優良住宅と同様に住宅ローン減税の最大控除額が引き上げられるほか、登録免許税の税率も軽減される。



国土交通省では2012年4月から認定低炭素住宅の認定制度の運用を開始しており、2014年6月末時点で一戸建て住宅2911件、共同住宅の住戸2149件、非住宅建築物1件が認定を取得している。

長期優良住宅が2009年6月の運用開始から一戸建て住宅だけで50万2222戸、2013年1年間だけでも11万4735戸の認定時実績があるのと比べると、普及スピードは遅い。

2015年度の予算概算要求で
1戸あたり100万円の補助を盛り込む


そうしたなか、国土交通省では2015年度の予算概算要求において、「地域型グリーン化事業」を盛り込んだ。資材供給や設計、施工などの事業者のグループ化を促し、連携体制による省エネルギー性能や耐久性などに優れた木造住宅の整備に対して支援を行う。

今年度までは地域型住宅ブランド化事業としてそうしたグループの長期優良住宅について1戸あたり100万円を上限に補助対象費用の2分の1を補助。加えて、高性能省エネ型として認定低炭素住宅についても1戸あたり100万円を上限に補助対象費用の2分の1を補助することを盛り込んだ。

ちなみに高度省エネ型ではゼロエネルギー住宅に対する補助も用意しており、こちらは165万円を上限に補助対象費用の2分の1を補助するという。

ゼロエネルギー住宅の方がハードルが高いだけに補助金も多く設定されているわけだ。グループの取り組みを通じて、地域の中小工務店による住宅省エネルギー対策の底上げを図る狙いだ。

認定低炭素住宅については、住宅ローン減税の最大控除額が引き上げられるといった優遇措置は講じられているが、長期優良住宅やゼロエネルギー住宅のような補助制度はなかった。

地域型住宅グリーン化事業を通じて補助が行われることになれば、今後、普及が加速する可能性がある。認定低炭素住宅に取り組む住宅事業者が増えそうだ。



家造りアドバイザーのコメント

記事にあるように長期優良住宅やゼロエネルギー住宅は思った以上に消費者の皆さんに周知することになりましたが、認定低炭素住宅って?という感じで、なかなか周知されていませんでした。補助金に頼るやり方の是非はさておき、来年になればこの言葉を今以上に聞くことになり、自立循環型省エネ住宅を目指すセルフエナジーハウス研究会においても、又その監修で作られるハイブリッドeハウスにおいても喜ばしいことになります。
お問い合わせは、鹿児島、東京、神奈川、千葉、埼玉は0995-73-3023の上野、または info@cmstyle.jpまで。


CMシステム全国家づくりネットワーク
(社)セルフエナジーハウス研究会 ハイブリッドeハウス開発担当
家づくりアドバイザー 上野 勝

来年度から認定低炭素住宅について補助制度の導入を目指す2014年10月30日【25】

再生可能エネルギー、日本の常識は世界と「真逆」

再生可能エネルギー、日本の常識は世界と「真逆」

ドイツや米国の太陽光や風力が安い理由
山根 小雪さん記事より

世界では再生可能エネルギーは「安い」というのが常識だ。一方の日本での認識は、その真逆を行く。実際のコストにも大きな乖離が存在する。なぜ、これほどまでに再エネを取り巻く状況に差があるのだろうか。

 「『なぜ日本は安価な再生可能エネルギーを活用せず、燃料費が高い火力発電ばかりを使うの?』。欧州へ行くと必ずこう聞かれます」
 国内外で再生可能エネルギーに関する制度・政策の調査を手がける、トーマツ・エンタープライズリスクサービスの水野瑛己マネジャーは苦笑する。
 この指摘の背景には、「太陽光発電の発電コストは、電力の小売料金よりも安く、風力発電の発電コストは火力発電並み」というのが欧米の常識になったことがある。
 翻って日本。東京電力・福島第1原子力発電所事故に始まる原発停止による電力不足は、そのすべてを火力発電で賄ってきた。
 火力発電は原価の約6割を天然ガスや石炭、石油といった燃料費が占める。資源に乏しい日本は火力燃料のほぼすべてを輸入に頼っている。だからこそ、日本向けの燃料価格は「ジャパンプレミアム」と呼ばれ、電力料金高騰の主要因となってきた。
 2012年7月に再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度をようやく導入したものの、あくまで火力発電の方が安価で、再エネは高いというのが日本の常識だ。
 実際、日本でのコスト計算によると、再エネの方が火力よりも相当、割高だ。
 政府が2011年に公表した火力の発電コストは、石炭火力で1キロワット時当たり9.5円、天然ガス火力は同10.7円。一方、固定価格買い取り制度における2014年度の買い取り価格は、太陽光発電が1キロワット時当たり32円(税別)。風力発電は同22円だ。買い取り価格は、発電コストに適正利潤を上乗せしているとはいえ、価格差は2~3倍もある。
 ところが、米国エネルギー省によると、2013年末時点の米国における太陽光発電のコスト(発電事業者と購入者の契約価格)は1キロワット時当たり平均11セント(約11円)。風力に至っては、2012年の平均でわずか同3.83セント(約3.83円)だという。


日本と世界で再エネ価格が「雲泥の差」になる理由
 日本と欧米の再エネ価格は、まさしく雲泥の差。なぜこれほどまでに、差があるのだろうか。
 ある専門家はこう指摘する。「国内の太陽電池メーカーは、価格が急激に下落することを防ぐために、談合とも言えるような値付けをしている」。適正な競争が働けば、本来下がるはずの価格にまで下がっていないという見立てだ。
 海外メーカーの安価な太陽電池は、「国内販売するために必要な認証などのハードルが高い」という声も漏れてくる。加えて、「電力網との接続工事などの料金が高止まりしていることが、コストを底上げしている」(電力業界関係者)。


コスト低減のスピードに価格見直しが追いつかない
 もう1つの理由は、制度設計に緻密さと柔軟性が足りないことだ。
 固定価格買い取り制度の買い取り価格は、太陽電池などのコスト低減効果を織り込んで見直すことになっている。ところが、現在の1年に1回の改正では、コスト低減のスピードに見直しが追いつかない。その結果、制度設計の想定以上に発電事業者の収益性が高くなるという状況が続いている。
 さらに、トーマツの水野マネジャーは、「制度設計は、数値データに基づいて精緻に行うべきなのに、あいまいな決め方をしているのが日本の問題点だ」と断じる。
 ドイツの場合、膨大なデータを基に固定価格買い取り制度を作り込んでいる。太陽電池などの設備のコスト算定はもちろんのこと、環境影響などのデータも仔細に収集して制度に反映させる。しかも、買い取り価格は毎月見直し、導入状況によって上限値を設けるなどの工夫も加えてきた。運用には苦労しつつも、試行錯誤を重ねて改善を進めている。


日本は制度設計を見直すべき時期を迎えている
 固定価格買い取り制度が、再エネの導入促進に最も効果のある政策手法であることは、先行する各国の状況を見れば明白だ。導入が進めば、コストも下がる。その結果が、「火力発電よりも再エネの方が安い」という世界の常識を生んだ。
 東日本大震災前、日本の再エネ導入比率は大規模水力を除くと1%強しかなかった。再エネに関しては、後進国と言わざるを得ない状況だった。その日本も、固定価格買い取り制度の導入によって、ようやく動き出した。
 固定価格買い取り制度による導入効果は凄まじいものがあり、2012年7月の制度開始から2014年3月までの2年弱で6864万キロワットもの設備が認定を受けた。設備利用率が異なるので一概に比較はできないが、設備の出力だけを比べれば原発60基分に相当する量だ。


制度施行から3年を経て、競争促進策が必要に
 制度の施行から3年間は「加速度期間」と銘打って、買い取り価格などの条件にはプレミアムをつけてきた。長らく微動だにしなかった日本市場を動かすためには、カンフル剤が必要だったと考えれば、これまでの制度設計が間違いだったとは思わない。
 ただ、今年で制度開始から3年目を迎える。見回してみれば、発電コストでは風力などに劣る太陽光発電ばかりが大量に導入されている。日本にもコストを引き下げるための精緻な制度設計と、競争を促すための刺激が必要な時期が来たと感じる。
 ドイツは8月1日、制度改正を実施する。今回の改正では、買い取り価格の引き下げや過剰になっていた補助の廃止、コスト負担方法の見直しなどを行う。最も大きな変化は、再エネへの競争導入だろう。
 再エネのコストは、かつてと比べて大幅に低減し、補助政策なしでもほかの電源と戦えるところまで育ってきたという認識なのだろう。当面、買い取り価格の設定は続けるものの、再エネによる電力の売買については、発電事業者が自ら売り先を探し、取引することが義務付けられる。これまでは発電すれば自動的に買い取ってもらえたことと比べると、大きな変化だ。
 「今回の制度改正には、そろそろ再エネを独り立ちさせようというドイツ政府の狙いが明確に示されている」とトーマツの水野マネジャーは分析する。競争の導入は、電力会社をはじめとするプレーヤーへの刺激になり、ひいては電気料金の引き下げといった形で消費者へ恩恵を与える。


再エネ導入には国家の意思が必要だ
 ドイツの再エネ導入目標は壮大だ。2025年までには再エネを40~45%、2035年には55~60%に引き上げる。電気料金の上昇や電力網への対策の必要性が叫ばれるなど、課題はある。それでも、導入促進策の手綱はまったくと言っていいほどゆるめていない。
 再エネの導入に伴うコスト負担方法にも、ドイツ政府の意思が見える。エネルギー多消費型企業への負担は大幅に減免し、国民が負担しているのだ。その結果、ドイツ経済は成長し、国内の雇用は維持される。
 ドイツでは、原子力発電は発電コストが高いという認識が、広く浸透している。加えて、ロシアの天然ガスへの依存度を低下させたいという思いがあり、行き着いた答えが再エネだったというわけだ。
 エネルギー安全保障と経済政策を両立させるドイツを見ていると、再エネ導入には国家としての意思が必要なのだと考えさせられる。
 日本も固定価格買い取り制度を始めとする制度をうまく運用することができれば、資源不足を補い、電気料金を引き下げ、電力市場に競争を起こすことができる。不可能とも思える方程式を解くことすらできる可能性を秘めている。
 「米国の電力会社は、電力自由化よりも、再エネを中心とした分散型電源の導入にビジネスモデルの変更を迫られたと言っている。日本でも、再エネ導入の推進が電力市場に適正な競争を引き起こす可能性は十分にある」とエネルギー戦略研究所の山家公雄所長は指摘する。
 再エネ推進は諸刃の刃だ。今の日本のやり方を踏襲するだけでは、電気料金の高騰を後押しするだけかもしれない。再エネ導入の真価を発揮させるためには、日本はまだ努力が足りない。

再生可能エネルギー、日本の常識は世界と「真逆」2014年09月17日【23】

今後のエネルギー政策の方向性はどうなる!

今後のエネルギー政策の方向性はどうなる!

「新エネルギー基本計画」概要

4月11日に政府が閣議決定した「新エネルギー基本計画」。そこには国のエネルギー政策の基本的な方向性が示されている。ここでは「太陽光発電」「蓄電池」「水素・燃料電池」「地熱発電」「中小水力発電所」「木質バイオマス」をテーマに概要を紹介いたします。

再エネ導入にむけて関係閣僚会議を創設
 4月11日に閣議決定された「新エネルギー基本計画」における再生可能エネルギー政策は、2013年から3年程度、再生可能エネルギーの導入を最大限加速していき、その後も積極的に推進していく方針を示している。再生可能エネルギーは、有望かつ多様で、重要な低炭素の国産エネルギー源であると位置づけている。現時点では安定供給面、コスト面で様々な課題が存在するが、温室効果ガスを排出せずに国内生産できるため、エネルギー安全保障にも寄与できる。系統強化、規制の合理化、低コスト化等の研究開発などを着実に進め、再生可能エネルギー等関係閣僚会議を創設して政府の司令塔機能を強化するとともに、関係省庁間の連携を促進する。こうした取り組みにより、「これまでのエネルギー基本計画を踏まえて示した水準」を更に上回る水準の導入を目指す。また、エネルギーミックスの検討に当たっては、これを、踏まえることとする。これまでに示した水準として、発電電力量のうちの再生可能エネルギー等の割合として、2013年に13.5%(1,414億kWh)(「長期エネルギー需給見通し(再計算)」2009年8月策定)、2030年に約2割(2,140億kWh)(「2030年のエネルギー需給の姿」(2010年6月)をあげている。

太陽光発電は中小規模の普及を支援
 太陽光発電については、中小規模の発電を行うことも可能で、分散して導入しやすく系統負担が少ないこと、非常用電源として利用可能であることを評価している。その一方で、発電コストが高く、出力の不安定性といった安定供給上の問題があることから、更なる技術革新が必要であると指摘している。中長的には、コスト低減が達成されることで、分散型エネルギーシステムにおける昼間のピーク需要を補い、消費者参加型のエネルギーマネジメントの実現等に貢献するエネルギーとしての位置づけを踏まえたうえで導入が進むことが期待されている。太陽光発電は、遊休地や学校、工場の屋根の活用など、地域における中小規模の太陽光発電の普及が進んでおり、こうした取り組みを引き続き支援していく計画だ。

蓄電池・水素技術の活用で二次エネルギー構造変革
 新たなエネルギー需給構造をより安定的で効率的なものとしていくためには、一次エネルギーの構成だけでなく、最終需要家がエネルギーをりようする形態である二次エネルギーの在り方について検討を行うとしている。その二次エネルギー構造の変革を促す可能性を持つものとして、蓄電池や水素に着目する。また技術革新が進んできていることから、水素を本格的にエネルギーとして利活用する“水素社会”についての包括的な検討を進めるべき時期に差し掛かっていると指摘する。“水素社会”を実現していくためには、先端技術等による水素の大量貯蔵・長距離輸送、燃料電池や水素発電など、水素の製造から貯蔵・輸送、利用に関わる様々な要素を包含している全体を俯瞰したロードマップの存在が不可欠である。また、このような長期的・総合的なロードマップを実行していくためには、関係する様々な主体が、既存の利害関係を越えて参画することが重要となる。そこで、水素社会の実現に向けたロードマップを、本年春を目処に策定し、その実行を担う産学官からなる協議会を早期に立ち上げ、進?状況を確認しながら、着実に取り組みを進めていく。

ネットワークフリーでエネ供給世界市場5割獲得目指す蓄電池
 現在の二次エネルギーは、電気、熱及びガソリンなど石油製品が担っている。特に、多くのエネルギー源から転換することができる利便性の高い電気がネットワークを通して最終消費者に供給され、二次エネルギー構造の中心を担っている。だが、電気の供給は送配電網に頼っており、ネットワークにつながっていない場合や途切れた場合には供給できなくなるという課題も抱えている。こうした課題に対応するために、エネルギーをいかに貯蔵して輸送するのかなど、二次エネルギーの供給方法の多様化を含めて検討していくことが重要となる。このような観点から、蓄電池や水素などの技術活用は、将来の社会を支える二次エネルギー構造の在り方を視野に入れて、着実に取り組みを進めていく。蓄電池は、利便性の高い電気を貯蔵することで、いつでもどこでも利用できるようにする技術である。エネルギー需要構造の安定性を強化することに貢献するとともに、再生可能エネルギーの導入を円滑化することができる、日本再興戦略においても、潜在的市場の大きさが取り上げられており、国際市場は2020年には20兆円規模に拡大していくと予想されている。最近では安全性の向上や充放電効率の増加による性能向上によって、従来の用途に加え、車載用、住宅・ビル・事業用等の定置用の用途へも広がりつつある。引き続き、技術開発、国際標準化等により低コスト化・高性能化を図っていくことで、2020年までに世界の蓄電池市場規模(20兆円)の5割を国内関連企業が獲得することを目標に、蓄電池の導入を促進していく。

水素社会の実現に向け取り組み加速
 水素は、将来の二次エネルギーの中心的役割を担うことが期待される。水や多様な方法で製造することができるエネルギー源で、期待、液体、固体(合金に吸蔵)というあらゆる形態で貯蔵・輸送が可能である。また、利用方法次第では高いエネルギー効率、低い環境負荷、非常時対応等の効果期待される。具体的な概要は次の通りである。

(1) 定置用燃料電池(エネファーム等)の普及・拡大
現在、最も社会的に需要が進んでいる水素関係技術は、家庭用燃料電池「エネファーム」である。特にわが国では、燃料電池の技術的優位性を背景に、定置用燃料電池が世界的に先駆けて一般家庭に導入されており、国内外の市場開拓を進めるべき時期にある。一方、コストが高いことが普及・拡大に向けての大きな課題であり、初期市場創出のための国の補助制度がこうした新たな市場を下支えしている状況にある。2020年には140万台、2030年には530万台の導入を目標としており、本目標を達成するため、市場自立化に向けた導入支援を行うとともに、低コスト化のための触媒技術などの研究開発や標準化などを引き続き進めていく。また、定置用燃料電池の普及が進んでいない業務・産業分野についても、早期の実用化・普及拡大に向けて、産業活動で求められる水準の耐久性や低コスト化を実現するための技術開発や実証などを推進し、市場の創出を図る。

(2) 燃料電池は東京オリンピックで世界へPR
2015年から商業販売が始まる燃料電池自動車の導入を推進する。規制見直しや導入支援等の整備支援によって、四大都市圏を中心に2015年内に100カ所程度の水素ステーションの整備をする。さらに部素材の低コスト化に向けた技術開発や、水素ステーションの整備を行い、燃料電池自動車の導入を円滑に進めるための積極的な支援を行う。特に、燃料電池自動車の普及初期においては、比較的安定した水素需要が見込まれる燃料電池バスや燃料電池フォークリフト等の早期の実用化が重要であり、その技術開発などを着実に進める。2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会において、大会運用の輸送手段として燃料電池自動車が活躍することができれば、世界が新たなエネルギー源である水素の可能性を確信する機会となるだろう。こうしたことを見据え、今から計画的に着実に取り組んでいくべきである。

(3) 水素の本格的利活用では水素発電池等にも期待
水素の利用技術の実用化については、定置用燃料電池や燃料電池自動車にとどまらず、水素発電にまで拡がっていくことが期待される。水素発電は、燃料の一部を水素で代替する混焼発電については、既存のガスタービンでも一定程度であれば技術的に活用できる状況にある。さらに、燃料を水素だけで賄う専焼発電を将来実用化するための技術開発が進められている。

(4) 再エネを活用した水素の製造等、技術開発を推進
水素の供給については、当面、副生水素の活用、天然ガスやナフサ等の化石燃料の改良等によって対応されることになる。しかし、水素の本格的な利活用のためには、水素をより安価で大量に調達することが必要になる。そのため、海外の未利用の褐炭や原油随伴ガスを水素化し、国内に輸送することや、将来的には国内外の太陽光、風力、バイオマス等の再生可能エネルギーを利用して水素を製造することなども重要となる。具体的には、水素輸送船や有機ハイドライド、アンモニア等の科学物質や液化水素への変換を含む先端技術等による水素の大量貯蔵・長距離輸送など、水素の製造から貯蔵・輸送に関わる技術開発等を今から着実に進めていく。また、太陽光を用いてみ水から水素を製造する光触媒技術・人工光合成などの中長期的な技術開発については、これらのエネルギー供給源としての位置付けや経済合理性等を総合的かつ不断に評価しつつ、技術開発を含めて必要な取り組みを行う。

地熱・中小水力発電は規制等の合理化で導入を促進
 地熱発電は、発電コストも低く、安定的に発電を行うことが可能で、発電後の熱水利用など、エネルギーの多段階利用も期待される。しかし、風力発電同様、導入に向けた課題が多いため、それを解決する取り組みを推進する。中小水力発電は、地域の分散型エネルギー源としての活用が期待される。なお、中水力発電はについての明確な定義はないが、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度では、出力30,000kW未満の中小水力発電設備として対象としている。地熱発電については、世界第3位の地熱資源量を誇るわが国において、発電コストも低く、安定的に発電を行うことが可能なベースロード電源を担うエネルギー源と位置付けている。一方、開発には時間とコストがかかり、風力発電と同様に、地元との調整や、環境アセスメントのはか、立地のための各種規制・制約への対応等の課題がある。このため、地熱発電設備の導入をより短期間で、かつ円滑に実現できるよう、環境アセスメントの迅速化電気事業法上の安全規制の合理化等の取り組み、また、必要に応じて更なる規制・制度の合理化に向けた取り組み等を進める。発電後のエネルギーの多段階利用では、地熱発電所が安定的に電気を供給するとともに、蒸気で作った温水が近隣のホテルや農業用ビニールハウスなどで活用され、地域のエネルギー供給の安定を支える役割を担っている例をあげている。こうした利点を踏まえつつ、中長期的な視点で、地域と共生した持続可能な開発を引き続き進めるべく、立地のための調整を円滑化するための取り組みについて検討する。なお、福島の再生可能エネルギー産業拠点化を推進するため、NEDOに「福島再生可能エネルギー研究所」を本年4月に開所し、地熱発電の適正利用・評価の技術や再生可能エネルギーの研究活動等を行うとしている。

改正河川法で導入拡大の中小水力地域活性化の役割担うバイオマス
 中小水力は未開発地点が多い。また、小河川や農業用水などを活用した小規模水力は、高コスト構造等の事業環境の課題がある。こういった現状を踏まえた上で、地域の分散型エネルギー需給構造の基礎を担うエネルギー源としても活用していくことが期待される。中小水力発電については、既に許可を受けた農業用水等を利用した発電について、河川法の改正による登録制の導入により水利権手続の簡素化・円滑化が図られたところであり、今後、積極的な導入の拡大を目指す。一方、未利用材による木質バイオマスを始めようとしたバイオマス発電は、安定的に発電を行うことが可能な資源となりうる、地域活性化にも資するエネルギーの源である。特に、木質バイオマス発電については、わが国の貴重な森林を整備し、林業を活性化する役割を担うことに加え、地域分散型のエネルギーの源としての役割を果たすものである。木質バイオマス発電は、農林漁業の健全なな発展と調和のとれた再生可能エネルギーとして導入を推し進めてゆく。さらに、下水汚染、食品廃棄物などによる都市型バイオマスや耕作放棄地を活用した燃料作物バイオマスの利用にも取り組む。だが、木質や廃棄物など材料や形態が様々であり、コスト等の課題も抱える。そのため、既存の利用形態ととの競合の調整、原材料の安定供給の確保等を踏まえ、分散型のエネルギーシステムの中の位置付けも勘案しつつ、規模によるメリットの追求、既存火力発電所における混焼など、各種支援策を総動員して導入の拡大を図っていくことが期待される。具体的には森林・林業施設や農山漁村再生可能エネルギー法等を通じて積極的に推進し、農林漁業の健全な発展と調和のとれた再生可能エネルギーの導入を推し進めていく。木質バイオマス熱利用等は、木質バイオマス発電と同じく、大きな可能性を有することから、同様の取り組みを進めていく。輸入が中心となっているバイオ燃料については、国際的な動向や次世代バイオ燃料の技術開発の動向を踏まえつつ、導入を継続する。

分散型エネルギーシステムとして再生エネルギーの利用を促進
 住宅や公共施設の屋根に容易に設置できる太陽光等の再生可能エネルギーは、コスト低減に向けた取り組みを進めることで、コスト面でもバランスのとれた分散型のエネルギーとして重要な役割を果たす可能性がある。また、再生可能エネルギーを用いた分散型エネルギーシステムの構築は、地域に新しい産業を起こし、地域活性化につながるだけでなく、緊急時に大規模電源などからの供給に困難が生じた場合でも、地域において一定のエネルギー供給を確保することにも貢献する。このため、太陽光、地域の多様な主体が中心となって設置する風力発電、小河川や農業用水などを活用した小規模水力、温泉資源を活用した小規模地熱発電、地域に賦存する木質バイオマス、太陽熱・地中熱等の再生可能エネルギー熱など、小規模な再生可能エネルギーを君組み合わせた分散型エネルギーシステムの構築を加速していくよう、個人や小規模事業者も参加しやすくするための支援を行っていく。また、2013年臨時国会において成立した農林漁業の健全な発展と調和のとれた再生可能エネルギー電気の発電の促進に関する法律(農山漁村再生可能エネルギー法)等の積極的な活用を図り、地域の活性化に資する再生可能エネルギーの導入を推し進める。さらに、分散型のエネルギーシステム内で余剰となった蓄電池の電力も含めた電力を系統に供給することを弾力的に認めるため、逆潮流に関わる運用を柔軟化し、このために必要な系統安定化のための技術革新を進める。





今後のエネルギー政策の方向性はどうなる!2014年09月17日【22】

「水素・燃料電池戦略ロードマップ」

経済産業省は6月24日、水素を燃料として有効に使う社会の実現に向けた「水素・燃料電池戦略ロードマップ」を公表した。

家庭用燃料電池は、自立的な普及拡大を目指し、燃料電池の発電電力取引の円滑化などを進める。家庭用は2020年ごろに140万台、2030年ごろに530万台の普及を目指す。

 同ロードマップは、2013年12月に立ち上げられた水素・燃料電池戦略協議会で検討されてきたもの。現在、家庭用燃料電池は戸建ての新築住宅中心のマーケットになっているが、集合住宅や既築住宅などへも拡大していく。2020年には、7、8年で投資回収可能なコストの実現を目指す。




「水素・燃料電池戦略ロードマップ」資料から

「水素・燃料電池戦略ロードマップ」2014年09月16日【24】

[1]    «    1  |  2  |  3  |  4  |  5    »    [6]

- 管理用 -

最近の記事

月別記事

このページの先頭に戻る▲